(1)腰痛症とは


 腰痛は人類が二本の足で直立歩行しはじめたころより、見られるようになった宿命的な病気で労働災害でも問題にされています。俗に「四十腰」と云われる腰痛、「魔女のひとつき」と云われるぎっくり腰は既にご存知の通りです.
 頭、両手、内臓といった重いものを支えているのが脊柱です。脊柱は上から7つまでが頚椎、その下12個が胸椎、胸椎の下から骨盤までの五つが腰椎です。腰椎に体重がもっとも多くかかることはご存知のことと思いますが、それにもまして骨盤と腰椎の間は前方に30度傾いており、体重を支えるには不安定に出来ています。そのため、余分な重力がかかると腰椎は前方へすべり落ちるような動きを生じます。この弱点が腰痛を起こすのです。
 しかし、この弱点をおぎなうものとして、おしりやおなかの筋肉が働きます。腰痛は筋肉の動きが良いか悪いかによってもおこるという、ひとつの理由です。
 次回は、腰痛症の分類について掲載いたします。